1930⇒1939

2011年8月アーカイブ

 映画愛好家のニコラ・ド・グンツブルグ男爵が出資者となり、自ら「ジュリアン・ウェスト」の名で主演した。

 ほとんどの出演者が素人で、演技の心得のあった者はレオーヌ役のシビレ・シュミッツと、老紳士役のモーリス・シュッツのみであったと言われる。

 吸血鬼の手下の医者の風貌は、後に「ポランスキーの吸血鬼」のアブロンシウス教授に影響を与えたとされる。

 古典映画、特に無声映画にはよくあることだが、編集が異なるバージョンが多々出回っており、いずれも完全なプリントではない。1990年代にリストアされて公開当時のドイツ語版に最も近いとされる、「ボローニャ版」がリリースされた

 公開当時の検閲で、吸血鬼殺害のシーンが「残酷すぎる」ということで、フィルムにして53mほど短縮された。
ボローニャ版はこれらのシーンは無いが、カットされたシーンは現存している。(ボローニャ版DVDに特典映像として収録。)