CMスタッフの集団「ひま人くらぶ」による短編映画である。
本作が発表された前年の67年には、同じくCM出身の大林宣彦監督による「いつか見たドラキュラ」が発表されている。
経の吸血シーンは同年公開の「帰って来たドラキュラ」にとてもよく似ており、またそれが意外に良い効果を生んでいるように思う。明らかにハマーホラーの影響を受けていると思われる。ハマーホラーの影響を受けた作品は数多いが、その中でも本作はそこそこのレベルを保っているのではないか?
朽ち果てた羅生門や鎧姿の義経のイメージが、吸血鬼という異文化の化け物に割とよく似合っており、これはこれで違和感が無く楽しむことができた。
45分のカラー・サイレント映画である。