『サスぺリア2(1975)』に登場する「キャラクター」、というよりは「小道具」である人形。意外にも写真、文献、共に資料が少なかった。この人形の存在というのは「謎」で、ストーリーに全く関係なく、唐突に登場する。その上に、どうやって動いているのか?どうやって移動しているのかが皆目見当がつかないのである。ストーリーの整合性からいえば、この人形は、殺人事件のカギを握る心霊学者ジョルダーニが殺される直前に登場するので、「殺人鬼側の仕掛け」でなければならないが、それにしてもハイテクすぎる・・・。狂った中年のオバハンに出来る仕掛けではないと思うのだが・・・それとも息子のカルロが裏方で舞監をやってたとか・・・。
まあ、そんなバカな話はともかくとして、その「人形」である。 特に名前は無いのだが、それだといろいろ弊害もあるので、「マッドパペット」と呼んでいる。仲間内では「ロッソくん」などとあだ名がついている。 これを作ることになった事の発端は、ダリオ・アルジェント研究の矢澤利弘さんとの出会いだった。あれは「夢人島パーティ」でのこと。 当時、私は「ロボット・マリア」を完成させていて、「フランケンシュタインの怪物」を作っていた。パーティでは、各業界からクリエイターが集まっていて、プレゼンの場でもあったことから、私はマリアを持参してその場を濁した。
矢澤さんとお会いしたのはその時が初めてではなく、以前にもあるオフ会でお会いした。パーティはそれほど収穫も無く終わったのだが、その後、二次会をご一緒させていただいたのだが、その二次会の店に行く道々「あの人形が欲しい」と言われた。
実のところ、それが、作ることになった「きっかけ」である。しかし、私も「何故、このガレージキットが無いのか?」と以前から疑問だったことと、「作りたい」という想いはあったので「きっかけ」というよりは「作るための理由付け」と言った方がいいかもしれない。


材料は全てファンドを使用した。盛って削って、の繰り返しである。何分、資料が少ないので、タキシードなのか?燕尾服なのか?襟の形は?靴は?などと、つまらないところがわからず、頭を悩ませた。でも「これを作るということは、そーゆーことではない!」と自分に言い聞かせて、制作のベクトルを定めて作業に勤しむのである。映像では、ほとんど胸部から上だけしか映らないので、子供に見えるが、どうも思ったより頭が小さく、子供体系ではないのでは?という疑念がわいた。そこはそれ、監修の矢澤さんから「映画のイメージを優先して」という言葉をもらい、気持ち頭は大きめにしてある。
ベースは当初作る予定ではなかった。が、デコパージュに支柱を立てて、というのもドラマが無いので、専用の物を制作した。模様は簡単なものだが、登場シーンのジョルダーニ邸の窓の模様を模した。斜面にすることで、「浮いているような」効果を出した。


今回は人形なので、原色で済むのではないか?と思っていたら甘かった。人形なので光沢はあるのだが、あまりテカテカすると安っぽくなるので、光沢を抑えながら塗装をしていく。細かいところはエナメルでの塗装である。


『MADPAPPET』 from"Deep Red"
2010年3月完成
造型:小浅和大(怪獣男爵KAZ)、監修:矢澤利弘(ダリオ・アルジェント研究家)
備考:レジン素材での複製による完成品である。