1980年代

1980⇒1989
 

チェンジリング

 いわゆる古典的な幽霊屋敷モノであるが、その家を賃借人が獲りついている幽霊の発するメッセージを受け取りながら、隠ぺいされた過去の殺人事件を暴いていく、という、単なるホラーではなく、推理サスペンスの要素を持つ、変わり種である。 

 「チェンジリング」の意味は「取り替え子」のこと。西洋の伝承だそうだ。小鬼が洗礼前の人間の子供と、醜い自分の子供を取り替える、という言い伝えがあって、そのために昔は、身体が不自由であったり、性格が悪かったりする子は、取り替え子の汚名を着せられる差別があったのだそうだ。それに由来するホラー映画だ。

 監督はピーター・メダック。彼は同時期にジョージ・ハミルトンの「ゾロ」を撮っている。私の大好きな作品だ。これは、「怪傑ゾロ」のドタバタ喜劇。亡きゾロの双子の子供が父の遺志を継いでゾロとなるが、片方がオカマ、という痛快この上ない作品。 そのメダックがこのような、全く真逆の、重厚でシリアスな作品を作った、というのは驚きだ。この監督はちと、一筋縄ではいかない。

 ちなみに、日本での劇場公開版は、エンディング・テーマがヒカシューのイメージ・ソング「パイク」に差し替えられていたそうだ。

地獄の門

ルチオ・フルチ監督の「サンゲリア(1980)」に続くゾンビ映画第二弾。

悪霊と化した神父に見つめられた若い女性が、臓物を吐き出すグロシーンがこの作品の象徴とも言えるが、このシーン自体は物語には全く関係がない。

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