1980⇒1989

チェンジリング(1980)

"THE CHANGELING"
カナダ / チェスマン・パーク・プロダクション

[Staff]
制作:ジョエル・B・マイケルズ/ガース・H・ドラビンスキー
監督:ピーター・メダック
脚本:ウィリアム・グレイ/ダイアナ・マドックス
原作:ラッセル・ハンター
撮影:ジョン・コキロン
音楽:リック・ウィルキンス
配給:ジョイパック・フィルム(日本)

[Cast]
ジョン・ラッセル・・・ジョージ・C・スコット
クレア・ノーマン・・・トリッシュ・ヴァン・ディヴァー
ジョセフ・カーマイケル・・・メルヴィン・ダグラス
ペンバートン教授・・・バリー・モース
ジョアンナ・ラッセル・・・ジーン・マーシュ
デウィット警部・・・ジョン・コリコス
ノーマン夫人・・・マデリーン・シャーウッド
リー・ハーモン・・・ヘレン・バーンズ
エリザベス・グレイ・・・フランセス・ハイランド
ミニー・ハクスレイ・・・ルース・スプリングフォード

[Story]
交通事故で妻子を亡くした音楽家ジョン・ラッセルは、心機一転してシアトルへと転居する。シアトルの大学の音楽教師として招かれたのだ。そして、土地の歴史保存会のクレアから紹介された、カーマイケル財団の所有する「チェスマンハウス」に居を構えることにした。しかしその屋敷で生活を始めてすぐに、叩きつけるような音や、どこからともなくボールが現れるといったポルターガイスト現象が起きる。異変を感じたラッセルは、後日歴史保存会に問い合わせるが、唐突に「屋敷の賃貸契約は出来ない」と言われる。理由を聞くと「人の住むことのできる屋敷ではない」と。

ラッセルが屋敷に戻ると玄関のガラスが内側から割れ、またも低いラップ音が響き渡った。音の出所を探って行くと、そこは封印された部屋からのものであり、ラッセルがその扉の前に立つと、音は止み、扉はすっと開いた。それは子供部屋で、中には車椅子があった。

歴史保存会で屋敷の歴史を紐解くと、20世紀初めにリチャード・バーナードという名の医者が持ち主であったことがわかり、過去の新聞を調べていくとその家では交通事故で子供が死んでいたこともわかった。

屋敷で霊媒師による交霊術が行われ、その結果、その屋敷に獲りついている霊は、交通事故で死んだ子供ではなく、全く別のジョゼフという子供の霊であった。何かをラッセルに必死に訴えるジョゼフの霊、彼は何者なのか?

その謎を探って行くと、土地の権力者カーマイケル議員を巻き込んだ壮大な秘密に突き当たる。

[Text]

 いわゆる古典的な幽霊屋敷モノであるが、その家を賃借人が獲りついている幽霊の発するメッセージを受け取りながら、隠ぺいされた過去の殺人事件を暴いていく、という、単なるホラーではなく、推理サスペンスの要素を持つ、変わり種である。 

 「チェンジリング」の意味は「取り替え子」のこと。西洋の伝承だそうだ。小鬼が洗礼前の人間の子供と、醜い自分の子供を取り替える、という言い伝えがあって、そのために昔は、身体が不自由であったり、性格が悪かったりする子は、取り替え子の汚名を着せられる差別があったのだそうだ。それに由来するホラー映画だ。

 監督はピーター・メダック。彼は同時期にジョージ・ハミルトンの「ゾロ」を撮っている。私の大好きな作品だ。これは、「怪傑ゾロ」のドタバタ喜劇。亡きゾロの双子の子供が父の遺志を継いでゾロとなるが、片方がオカマ、という痛快この上ない作品。 そのメダックがこのような、全く真逆の、重厚でシリアスな作品を作った、というのは驚きだ。この監督はちと、一筋縄ではいかない。

 ちなみに、日本での劇場公開版は、エンディング・テーマがヒカシューのイメージ・ソング「パイク」に差し替えられていたそうだ。

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