なんと、『真説フランケンシュタイン/北極に消えた怪奇人間』(1973)のBlu-rayとDVDが発売。
実は私はこのドラマが好きで、「この作品のマニアなど日本にはいないだろう」、とある方に言われ、「ここにいるぞ!」と真っ向切りにしてやったわけです(爆)。実のところ、私がこれのマニアかどうかはわかりませんが、日本での初放映から再放映までチェックして、90分枠放映の編集の異なる録画ビデオを2本と北米版DVDを所有し、頻繁にテレビにかけていることは確か。
これはアメリカのテレビ番組で、日本では1979年にゴールデン洋画劇場で放映されました。オリジナルは前後編の2部構成で本国アメリカでは2回に分けて放映され、合計3時間という大作。多分、フランケンシュタイン物史上最長の映像化作品かもしれませんな。制作はユニバーサル・スタジオ。つまり本家制作のフランケンシュタイン・ムービーなのです。

真説フランケンシュタイン/北極に消えた怪奇人間 [Blu-ray]

新品価格
¥3,853から
(2015/4/22 04:23時点)

真説フランケンシュタイン/北極に消えた怪奇人間 [DVD]

新品価格
¥3,051から
(2015/4/22 04:24時点)

出演者がとにかく豪華。ビクター・フランケンシュタインに『ロミオとジュリエット』(1968)のレナート・ホワイティング、モンスターに『猫』(1969)、『リーインカーネーション』(1975)のマイケル・サラザン、ビクターの友人・ヘンリーにデヴィッド・マッカラム、女人造人間にジェーン・シーモアといった、当時脂の乗り切った若手を起用。脇を固めるのが、ジェームス・メイソン、アグネス・ムーアヘッド、ラルフ・リチャードソン、ジョン・ギールグッドといった大御所がゾロゾロ。役者を観ているだけでも楽しいこと請け合い。気がつけばトム・ベイカーもいるし、ハマー・ホラーでお馴染みのピーター・サリスもいる!
テレビドラマだからと馬鹿にすることなかれ、実験室のセットが映画級のスケール。落雷エネルギーに変わって太陽熱を利用した蘇生装置の登場。実験室自体が発電所になっているという懲り様。また、史上初の北極で終焉を迎えるフランケンシュタイン・ムービーでもあります。
原作に忠実か、というと、うーむ、どうでしょうかねー。やっていることは原作通りなれど、ビクターとモンスターの関係が丁寧すぎて少々BLが入っているような・・・。まあ、原作も考えようによってはそんな話だといえばそうかもしれませんがね(爆)。そういえば女優の扱いがぞんざいで酷い気もしますな(爆々)。
モンスターが話が進むにつれて醜くなっていくところはハマー・フィルムの『フランケンシュタインの復讐』(1958)の影響かもしれませんね。ちなみにモンスターのメイクアップはハマー・モンスターの創造主ロイ・アシュトンだそうな。

このBlu-rayとDVDは、2枚セットで字幕付きオリジナル版とテレビ放映版の日本語吹き替え付き。テレビ放映版は89分なので映像もそれに合わせて編集されておりました。これは個人的におススメですね。これが字幕付きで観られる日が来るとは思ってませんでした。