The Reptile
The Reptile

“The Reptile”
Scalpted by Kazhiro Koasa “Baron Monster”
Supervised by Hajime Ishida”Count Japacula”
Hight:17.5㎝
Conpletion Date:2012/2/6

久しぶりに「魔人館」プロデュースから「蛇女の脅怖」。監修と資料提供は石田 一さん。かねてからハマー・モンスターのバストアップ・モデルのラインナップを提案されていました。前出にフランケンシュタイン男爵とドラキュラ伯爵の胸像がありますが、そのシリーズの第3作目になります。原型はグレイスカルピーを使用。個人的に初めてグレイスカルピーで作品を完成させたことになります。グレイスカルピーはファンドに比べてスパチュラの入りが素直で緻密なディテールが割合安易のようです。いかんせん、まだ慣れていないところもあるので、完成させるまで時間がかかりました。当初は腕も付ける予定で、実は腕も完成させたのですが、最後の最後にボツにしました。バストアップモデルとしてどうもバランスが悪いことと、今後作品を増やしていく上で何かとリスクが高くなるので割愛したのです。苦渋の選択でした。

 1970年代中頃だったでしょうか、私が小さい頃は子供向けの妖怪の本に必ずといっていいほど蛇女の写真が掲載され、それがあまりにも怖いので子供心に背筋を凍らせたものです。正直いいますと、子供の私は蛇女が大嫌いでしたね。それが大人になって作ることになるとはおもろかしくもあり、感慨深くもあります。

この蛇女は蛇神教に呪いをかけられた女性でキング・コブラの化身。咬まれた者は真っ黒に腐り、泡を吹き、悶絶しながら壮絶な死を遂げます。まことにおそろしい化け物ですな。蛇なので寒さに弱く、高温を保たれた邸の中でヒロインに襲いかかろうとするところ、窓ガラスを割られて冷風が邸内に吹き込み、その寒さで死んでしまう、というラストはちょいとばかり失笑。弱い。あまりにも弱い。
しかしこの作品は蛇女の暗躍を描いた物語ではなく、娘に呪いをかけられた父親・フランクリン博士の苦悩の物語であり、そこに着眼して観るとかなり良い作品であります。

Jacqueline Pearce
Jacqueline Pearce

映画でこの蛇女に扮しているのはジャクリーヌ・ピアース。抜群のプロポーションを持つ、大変美しい女優さんです。ハマーではこの作品の他に「吸血ゾンビ」に出演しておりましたが、こちらではゾンビ役でした。両作品ともヒロインより美人だと思うのですがね、どういうわけか怪物役ばかり。

この蛇女のメイクは覗き穴がなかったらしいのです。なぜ無かったのかは定かでありませんが、とにかくジャクリーヌ・ピアースは目隠し状態での演技を強いられました。そのため、本編ではあまり動きません。