IMGA4107 日本では「スパイダー・ドッグ」と呼ばれていますな。一度作ってみたかったものです。『遊星からの物体X』(1982)は公開当時は『E.T.』(1982)の大ヒットの波に押されて全くヒットしなかったそうですな。ところが、後々口伝えと家庭用ビデオの普及によって徐々にその知名度は大きくなり、今日まで多くの根強いファンを残す名作となったという・・・。かくいう私もこの作品を最初に観たのは中学生の時、友達の家に遊びに行った時。「凄い映画がある」というので見せてもらったのです。まだレンタルビデオ店が無かった時代だったので、当時そこそこ流通していた輸入ビデオソフトでした。Xの最初の変体となる犬の顔がバクーっと割れるところ、ビックリしましたねえ。中から現れた頭骨がボロンと落ちるんですわ。ご丁寧に舌は残したまま。「気持ち悪い」を通り越して「なんだこれは!」だったんですね、こんなの観たことない。映画中盤でノリスが頭が歩き出して「何の冗談だ、これは?」と誰かが言います。この映画はこれなんですね「何の冗談だ、これは?」なんです。

IMGA4099 前述のとおりスパイダードッグは前から作ってみたかったのですが、作ろうと思ったきっかけは原作の「影が行く」を読んだことですかね。『魔人ドラキュラ』(1931)や『フランケンシュタイン』(1931)が映画公開されていた1930年代にこんな不気味な小説がすでに発表されていたというのは驚きでした。当時の作家のイマジネーションは凄い。これがキチンと映像化されるまでに半世紀ほどかかってますからね、本当に凄いものです。

IMGA4077 さて、造型ですが・・・
映画でこの形態が初登場する際の咆哮をイメージして作りました。
材料はスーパー・スカルピーにブラック・スカルビーを混ぜた物。なぜそれを使ったのか、というと、たまたま販売店のセールで、グレイスカルピーよりもこの二つを合わせた価格の方が安かったからであります。写真資料がなかなか集まらなかったので分からなかったところは想像で。レジンで複製するためになるべくパーツ数を少なくしてあります。ベースを含めて全部で7パーツです。  蛇足ですが、今後のために木製デコパージュ風のベースを作り、本体ベースと分離できるようにしてあります。

 

 

IMGA4104写真撮影の際、すこしでも映像の世界観を出したくて、突貫で背景を作りました。手近にあった金網を使って、金網越しに撮影してみたところ、結構雰囲気が出たと思います。

【作品データ】
DOG THING
大きさ:17.5㎝×13.5㎝×9㎝
材料:スカルピー
完成:2013年7月13日

 

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