1895⇒1929

ジョルジュ・メリエスの最近のブログ記事

極地征服

 映画の父 ジョルジュ・メリエス率いるスター・フィルム最後の作品。この時期、アメリカ人ロバート・ピアリーによる北極点到達、ノルウェーのロアール・アムンゼン、イギリスのロバート・スコットの南極点到達と、「極地探検」流行りであった。それに便乗した形での映画化であったが、すでにメリエスの作風は観客に飽きられており、また、極地探検のドキュメンタリー映像が公開されたこともあって映画のチープさに拍車がかかり、興行的に失敗に終わったという。しかしながら映画自体はメリエスの究極のパラレルワールドとも言える出来。

 本作の見せ場は何と言ってもクライマックスの「雪の巨人」である。これは頭だけで2メートルもの高さがあり、目、耳、口、手が動く大がかりなギミックがあった。顔のギミックを動かすために中にスタッフが二人入っていたという。

 各国の科学者の中に侍姿の日本人が参加しているのはちょっと嬉しい。