1895⇒1929

ウィリス・H・オブライエンの最近のブログ記事

恐竜とミッシングリンク

 この作品は、ウィリス・H・オブライエンがカリフォルニア時代に製作・公開されたオブライエンの初期作品群の一本。オブライエンは16年にニューヨークに居を移し、エジソン社に移り、その際にこれらの作品群がエジソン社のロゴが追加プリントされ、再公開されている、という事情があるため、正確な製作年度は確定できない、という。
 オブライエンの処女作であり、最古のストップモーション・アニメ映画であるが、この時点でかなり複雑な動きが実現されている。
日の浅い映画ビジネスの世界では、さぞかし大きな可能性を示唆した事と思う。ことに、ワイルド・ウィリーの表情豊かな感情表現には目を見張るものがあり、そのまま観流すと「ワイルド・ウィリーが主人公の作品」にも取れる。
 これがストップモーションアニメの祖であるとするならば、世界で初めて銀幕に登場した(3Dの)恐竜は首長竜(=ブロントサウルス)ということになる。オブライエンの同時代の短編には首長竜が好んで使われたようだ。1917年の「R.F.D.10,000 B.C.」では、ブロンドサウルスに荷車を付けた郵便屋が登場する。25年の「ロストワールド」でも、クライマックスをブロントサウルスにロンドンを破壊させる等、なぜか「首長竜」に対する拘りが見てとられる。