1895⇒1929

恐竜とミッシングリンク(1916)

"THE DINOSAUR AND THE MISSINGLINK"
アメリカ / ウィリス・H・オブライエン/エジソン社

[Staff]
監督:ウィリス・H・オブライエン

[Cast]

[Story]
3人の原始人、デューク、ストーンジョー・スティーブ、テオフィルスが見目麗しきアラミンタ嬢をめぐって恋の鞘当て。デュークとストーン・ジョーはライバル同士である。テオフィルスは身体が小さくて相手にされていない。    ある日、アラミンタ嬢の家(洞窟)の入り口に、訪ねてきた男たちが鉢合わせ。アラミンタ嬢は父親のロックフェイスとともに3人をお茶に招く。 ところが、巷で悪さをして問題になっている猿のワイルド・ウィリーが、家の入口でこしらえていた御馳走を平らげてしまった。さあ、食べ物が無い。ロックフェイスは3人の男に食べ物の調達を命ずるのであった。 「デュークとストーンジョーは肉を、テオフィルスは魚を取ってこい。」  はたして3人の「競争」は始まった。肉の担当班は失敗をくり返し、惨憺たる結果に終わった。ハブンチョのテオフィルスは、小舟に乗って魚釣り。とそこへ 首長竜が水を飲みにやってきた。一方、ワイルド・ウィリーは、「晩飯に蛇を2,3匹、川で獲ってくるか」と、これもまた川にやってくる。ウィリーは首長竜の尻尾を「蛇」を間違えて襲いかかり、逆に首長竜を怒らせて返り打ちに合ってしまう。あえない最期を遂げたウィリー・・・。 一部始終を目撃していたテオフィルスは「しめた」とばかりに倒れたウィリーの上に立ち、やってきたアラミンタと男たちを前に「自分が倒した」とばかりに雄たけびを挙げ、アラミンタを我が物にするのである。

[Text]

 この作品は、ウィリス・H・オブライエンがカリフォルニア時代に製作・公開されたオブライエンの初期作品群の一本。オブライエンは16年にニューヨークに居を移し、エジソン社に移り、その際にこれらの作品群がエジソン社のロゴが追加プリントされ、再公開されている、という事情があるため、正確な製作年度は確定できない、という。
 オブライエンの処女作であり、最古のストップモーション・アニメ映画であるが、この時点でかなり複雑な動きが実現されている。
日の浅い映画ビジネスの世界では、さぞかし大きな可能性を示唆した事と思う。ことに、ワイルド・ウィリーの表情豊かな感情表現には目を見張るものがあり、そのまま観流すと「ワイルド・ウィリーが主人公の作品」にも取れる。
 これがストップモーションアニメの祖であるとするならば、世界で初めて銀幕に登場した(3Dの)恐竜は首長竜(=ブロントサウルス)ということになる。オブライエンの同時代の短編には首長竜が好んで使われたようだ。1917年の「R.F.D.10,000 B.C.」では、ブロンドサウルスに荷車を付けた郵便屋が登場する。25年の「ロストワールド」でも、クライマックスをブロントサウルスにロンドンを破壊させる等、なぜか「首長竜」に対する拘りが見てとられる。