1895⇒1929

月世界旅行(1902)

"Le Voyage dans is Lune"
フランス / パテ

[Staff]
制作:ジョルジュ・メリエス
監督:ジョルジュ・メリエス
脚本:ジョルジュ・メリエス、ガストン・メリエス
原作:H・G・ウェルズ、ジュール・ベルヌ

[Cast]
バルヴァンフイユ教授・・・ジョルジュ・メリエス
月の女・・・ブリュエッテ・ベルノン
ロケットのキャプテン・・・ヘンリ・デラノイ
ヴィクター・アンドレ
ジャンヌ・ダーシー


[Story]
フランスでは今まさに、世界初のバルヴァンフイユ教授による月世界探検が実現されようとしていた。天文学会での裁決、有人砲弾の建設、巨大な大砲の鋳造、そして砲弾発射の時が訪れる。数多民衆の見守る中、教授一行は母なる大地を離れ、遥か彼方、月世界へと旅立ったのであった。  無事に月に到着した一行は、月の住民たちに歓迎されたのか、それとも毛嫌いされたのか?ともかく夜空に輝く地球を拝み、地下に生殖する巨大キノコに驚愕しながら、月世界探検に勤しむのである。そして教授一行は月世界人の急襲にあい、あっけなく捕獲されてしまったのである。月の大王の前に引き出された一行、あわや危機一髪のところで、返り打ちを試み、月世界の追手を振り切って、砲弾に逃げ込んで、地球へと「落下」。無事、帰還と相成ったのである。

[Text]

SF・ファンタジー映画の父、ジョルジュ・メリエスの代表作ともいえる本作。H・G・ウェルズの「月世界最初の人間」とジュール・ヴェルヌの「月世界へ行く」「月世界一周」などを原典にメリエス自信が、脚本・監督・出演を勤める。
世界最初のSF・ファンタジー映画で、複数のシーンと物語が存在する、当時としては革新的な作品だった。ラストに帰還祝いのパレードのシーンが長らく紛失されており、存在しないと思われていたが、2002年に発見され、「完全版」が2003年にイタリアのポルデノーネ無声映画祭で上映された。 
砲弾が目に突き刺さった泣き顔の月のビジュアルはあまりにも有名で、SF映画を語る上では外せないキャラクター(?)となった。
映像技術がつたない時代ながら、描き割り・ハリボテのセットを駆使したギミックがとにかく楽しい。乗組員の名は、バルヴァンフイユ教授以下、ノストラダムス、アルコフリバス、オメガ、ミクロメガス、パラファラガムスとなっている。16コマ/秒、14分の作品。

【レストアバージョン】(2012/02/11)

moon_2012.jpg この作品にはフィルムに直接着色されたカラーバージョンが存在する。これは1993年にスペインで発見され、1999年より修復作業が開始された。しかし、そのフィルムの状態があまりにも酷かったために、作業は難航。資金面や技術面などの環境が整い、再映に向けて本格的な修復作業が始まったのが2010年になってからのこと。さらに、関連財団の依頼により、新しくサウンドトラックがフランスのポップ・サウンド・ユニット「エール」によって作られた。

 このバージョンは全編16分である。
(出典:アルバム「エール『月世界旅行』」インストより)

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