DRACULA(USA:HORROR OF DRACULA)

【スタッフ】
監督:テレンス・フィッシャー
脚本:ジミー・サングスター
原作:ブラム・ストーカー
撮影:ジャック・アッシャー
美術監督:バーナード・ロビンソン
音楽:ジェームス・バーナード
制作:アンソニー・ハインズ

【キャスト】
ピーター・カッシング(ヴァン・ヘルシング)
クリストファー・リー(ドラキュラ伯爵)
マイケル・ガウ(アーサー・ホルムウッド)
メリッサ・ストリブリン(ミーナ・ホルムウッド)
キャロル・マーシュ(ルーシー・ホルムウッド)
オルガ・ディッキー(ゲルダ)
ジョン・ヴァン・アイセン(ジョナサン・ハーカー)
ヴァレリー・ガウント(女吸血鬼)
ジャニナ・フェイ(タニヤ)
チャールズ・ロイド・ペック(セワード医師)
ジョージ・ウッドブリッジ(呑屋のオヤジ)

 1885年、ジョナサン・ハーカー(ジョン・ヴァン・アイセン)は書庫係として雇われてドラキュラ城を訪れるが、彼の本当の目的は人類の敵「吸血鬼」を滅ぼすことだった。しかし、逆にドラキュラ伯爵(クリストファー・リー)の魔手に落ちてしまい、今度はヴァン・ヘルシング博士(ピーター・カッシング)が乗り出してくる。ドラキュラはハーカーのフィアンセであるルーシーを狙って町へやって来る。ヘルシングはルーシーの兄アーサー(マイケル・ガフ)と協力して吸血鬼と化したルーシーに止めを刺すが、今度はアーサーの妻ミーナが狙われる。ミーナを連れて城へ逃げ戻ったドラキュラを追い詰めたヘルシングは、壮絶な闘いの末に勝利する。
 
  巨大な窓にかけられた大きなカーテンに飛びついて引き剥がし、差し込んだ陽光の中へ燭台を組み合わせた十字架でドラキュラを追い込むクライマックスは圧巻である。
  大長編の原作を82分の映画に収める為に、キャラクター設定や物語は大胆に変更されているが、それでも原作の重要な部分はそのまま再現されている。ジミー・サングスターの脚本は、枝葉末節は変更しても一番大切な幹を残しており、実はこの作品が最も原作に忠実な映画化である。

(石田 一)