THE TASTE THE BLOOD OF DRACULA

【スタッフ】
監督:ピーター・サスディ
脚本:ジョン・エルダー
撮影:アーサー・グラント
美術監督:スコット・マッグレガー
音楽:ジェームズ・バーナード
製作:アイダ・ヤング

【キャスト】
クリストファー・リー(ドラキュラ伯爵)
ラルフ・ベイツ(コートレイ卿)
リンダ・ヘイドン(アリス)
アンソニー・コーラン(ポール)
イズラ・ブレアー(ルーシー)
ロイ・キニア(古物商ウェラー) 


 古物商のウェラー(ロイ・キニア)がトランシルヴェニアを旅行中、断末魔のドラキュラを目撃する。商魂逞しいウェラーはドラキュラの遺品(十字架から流れ落ちて固まった血の粉末、指輪、マント、メダル)をロンドンへ持ち帰る。
 ドラキュラを信奉する若きコートレー卿(ラルフ・ベイツ)は家督追放の身で貧乏をしていたが、夜遊び好きの3人の紳士と知り合い、彼らを唆してドラキュラの遺品を購入させる。廃墟の教会を使って怪しげな儀式を行った結果コートレーは死ぬが、その肉体を使ってドラキュラが復活する。ドラキュラは弟子を殺した三人の紳士に復讐を誓い、彼らの息子や娘たちを手足のように使って始末していく。
  ドラキュラの催眠術に操られていたヒロインのアリス(リンダ・ヘイドン)は3馬鹿オヤジのリーダー格だったハーグット(ジョフリー・キーン)の娘で、まだ血の接吻はされていなかった。彼女の恋人ポールはアリスを取り戻すためにドラキュラと対決。純粋な愛と神の力の前に破れたドラキュラは、階上の渡り廊下から祭壇の上へ落下して土塊と化す。
  木の杭や聖水などの物理的なものによるのではなく、見えない力で滅びるファンタジックなラストが珍しい。

(石田 一)