1940⇒1949

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 ユニバーサルのミイラ男映画は『ミイラ再生』(1932)から始まり、本作は2作目になるが、初作の続編ではなく、セミ・リメイクである。ミイラの名前はイム・ホ・テップからカリスに、古代エジプトの王女の名もアンケスナモンからアナンカに変更された。『ミイラ再生』ではミイラ男は己の意志で行動するが、このリメイクではエジプトの高僧から命を受けた神官の指示に従属する。

 満月の夜ごとに謎の植物ターナの葉3枚を煎じた茶をカリスに飲ませることでその最低限の生命活動は維持され、アナンカの墓を暴くものあらば、毎晩9枚のターナの葉を煎じて飲ませることでカリスは動き出し、墓荒らしを攻撃する。

という約束事に沿って、探検隊とアナンカ姫の墓守との攻防の物語が展開する。このグリフィン・ジェイとマックスウェル・シェーンによる脚本は以後のミイラ男映画の物語のセオリーとなる。

 スティーブ・バニングのキャラクターは世界を股にかけた考古学者で活動的なヒーローである。悪漢アンドヘブがその名を耳にしているなど、なにかと有名なようで、その点はインディ・ジョーンズの先駆とも言えるのではないだろうか?

 ミイラ男に扮するのは1940年代の連続活劇『キャプテン・マーベル』で人気を博したトム・タイラー。タイラーはそれまで低予算の西部劇映画で活躍していた。彼がカリス役に配役されたのは、タイラーの鋭い顔つきと暗い目つきがカーロフに似ており、本編中に『ミイラ再生』のカーロフが登場する回想シーンを挿入する都合があったので、その整合性を考えての判断だったといわれている。