1959年4月アーカイブ

死体解剖記

「バークとヘア連続殺人事件」の実話を基に作られた作品。
「オーメン(1976)」でベイロック夫人を演じた、ビリー・ホワイトローが被害者メアリーを演じている。
「フランケンシュタインの逆襲(1957)」で、子供時代のビクターを演じた メルビン・ヘイズの姿も見られる。
ともにバークとヘアの手にかかる。
このジム(メルビン・ヘイズ)の遺体とノックス(カッシングが)対面するシーンは、ちょっとニヤリとせざるを得ない。

Flesh and the Fiend.jpg★バークとヘア連続殺人事件 (1827-28)
19世紀初頭、イギリスのスコットランドはエジンバラ。
ウィリアム・バークとウィリアム・ヘアの二人組が、17人を殺害し、エジンバラ医学校に死体解剖用に売ったという事件。
取引は全てロバート・ノックス医師(1791‐1862)である。
1832年以前、イギリス医学界では、研究・教育の解剖用に合法的に得られる死体が慢性的に不足していた。19世紀にはいると医学の発達著しく、その需要は増えたが、『血の法典』の改正により、さらに供給が減り、そのため、死体調達の裏ビジネス(墓泥棒)が横行するようになる。
バークとヘアの事件はそんな時代に起きた。 当初は墓泥棒であったが、遺族の監視などで死体が手に入りにくくなったことと、より新鮮な死体の方が高く売れることなどから死体調達の方法が連続殺人に発展した。
事件発覚後、バークは死刑に処され、その体は皮肉にも、解剖用に回されて医学に貢献することになった。ヘアは犯行の自白とバークに不利な証言をすることで訴追を免れた。1829年に釈放、その後の消息は不明である。
バークとヘアは、ハマー・ホラー「ジキル博士とハイド嬢(1971)」にも登場する。