ワーナーブラザーズが試験的に採用していた、二色式のテクニカラーで制作された作品。
そのカラー映像は、白黒が主流だった時代にあって、異種異様な雰囲気を醸し出している。ことに、大火災で溶解していく蝋人形のシーンは後世の語り草となるほど強烈なインパクトがあり、後に何度となく模倣されることになる。
ちなみに、役者そのものが蝋人形の役割を果たしているが、当初の予定では本物の蝋人形を使うことになっていた。ところが、スタジオの照明の熱で蝋人形が溶け崩れてしまったために、役者に蝋人形をやらせることになったという。
主演のライオネル・アトウィルは、ユニバーサル社のホラー映画でおなじみのバイプレイヤー。ヒロイン、シャーロットは「キング・コング(1933)」のフェイ・レイ。彼らがカラー映像で観られるのは貴重だ。
本作は1953年にアンドレ・ド・トス監督、ヴィンセント・プライス主演で再映画化されている。
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