1930⇒1939

1933年の最近のブログ記事

肉の蝋人形

Wax3302.jpgワーナーブラザーズが試験的に採用していた、二色式のテクニカラーで制作された作品。
そのカラー映像は、白黒が主流だった時代にあって、異種異様な雰囲気を醸し出している。ことに、大火災で溶解していく蝋人形のシーンは後世の語り草となるほど強烈なインパクトがあり、後に何度となく模倣されることになる。

ちなみに、役者そのものが蝋人形の役割を果たしているが、当初の予定では本物の蝋人形を使うことになっていた。ところが、スタジオの照明の熱で蝋人形が溶け崩れてしまったために、役者に蝋人形をやらせることになったという。

主演のライオネル・アトウィルは、ユニバーサル社のホラー映画でおなじみのバイプレイヤー。ヒロイン、シャーロットは「キング・コング(1933)」のフェイ・レイ。彼らがカラー映像で観られるのは貴重だ。
本作は1953年にアンドレ・ド・トス監督、ヴィンセント・プライス主演で再映画化されている。

月光石

ghoul400-2.jpgのサムネール画像長年、「失われた映画」として知られていたが、プラハにある「チェコ・ナショナル・アーカイブ」で海外輸出版のプリントが発見された。しかし、このプリントはコンディションが非常に悪いものだった。(恐らく、オープニング、エンドクレジットがカットされ、その他、残酷シーンなどがカットされた物。)後年、本国公開の完全版が発見された。
ラルフ・リチャードソンの映画デビュー作である。
カーロフ、アーネスト・セシジャー、セドリック・ハードウィックと、フランケンシュタイン・レジェンドの役者達が勢ぞろいしている。ついでにいうと、ラルフ・リチャードソンも「真説フランケンシュタイン」に出演。英国を代表する名優も、本作においては小僧である。