月光石 - 1930年代

[Staff]
制作：ミカエル・バルコン
監督：Ｔ・ヘイズ・ハンター
脚本：ルパート・ダウニング、ローランド・パートウィー、ジョン・ハスティング・ターナー
原作：レオナルド・ハインズ、フランク・キング
撮影：ギュンター・クランプ
メイク：ハインリッヒ・ハイトフェルド
配給：ＭＧＭ

[Cast]
ヘンリー・モアラント教授・・・ボリス・カーロフ
ブロートン・・・セドリック・ハードウィック
レイング・・・アーネスト・セシガー
ベティ・ハーロン・・・ドロシー・ハイソン
ラルフ・モーラント・・・アンソニー・ブッシェル
カーネイ・・・キャスリーン・ハリソン
ベン・ドラゴレ・・・ハロルド・フス
マフムド・・・Ｄ・Ａ・クラーク-スミス
ナイジェル・ハートレイ・・・ラルフ・リチャードソン

[Story]
　エジプト学者・モアラント教授は臨終の床に召使のレイングを呼び、宝石「永劫の光」を自分の掌に入れて包帯を巻かせた。彼はこうする事によって天国へ行けると信じていたのである。そして彼の死体は葬られた。
　レイングは「この宝石はモアラント家の相続者たる教授の甥ラルフ、及びベティー・ハーロウに与えらるべきもの」と考え、盗み出してしまう。ところがこの宝石を狙うものにモアラント家の法律顧問ブロートン、アラビア人ドラゴレ等があった。彼等はモアラント教授の死体から「永劫の光」が盗み去られたことを知り、暗中飛躍を始めた。
　　ラルフは叔父が死んだことを知らされず、葬式にも参列しなかったので、ブロートンを訪問した末、ベティーとその友人のケイニーと共にモアラント邸に乗込んだ。これより先に、レイングはベティーに「永劫の光」を渡そうとして果たせなかったのである。
　その夜は満月の夜だった。モアラント教授は「もしも『永劫の光』を奪う者あらば、満月の夜に蘇って取殺す」と言い残していたが、満月が墓場の扉に光を投げた時、音もなく扉を開いてモアラント教授が現れた。そしてレイングは蘇生した教授の手にかかり、最後を遂げた。教授は「永劫の光」を奪い返すや、墓場に戻り、エジプトの神像の掌にそれを乗せ、狂信者の法悦に浸って死んでしまった。そして遂に「永劫の光」を狙う人々の争闘が始まったが、悪漢達は駆けつけた警官隊に捕えられ、ラルフとベティーに宝石は与えられた。

[Text]

長年、「失われた映画」として知られていたが、プラハにある「チェコ・ナショナル・アーカイブ」で海外輸出版のプリントが発見された。しかし、このプリントはコンディションが非常に悪いものだった。（恐らく、オープニング、エンドクレジットがカットされ、その他、残酷シーンなどがカットされた物。）後年、本国公開の完全版が発見された。
ラルフ・リチャードソンの映画デビュー作である。
カーロフ、アーネスト・セシジャー、セドリック・ハードウィックと、フランケンシュタイン・レジェンドの役者達が勢ぞろいしている。ついでにいうと、ラルフ・リチャードソンも「真説フランケンシュタイン」に出演。英国を代表する名優も、本作においては小僧である。