1960⇒1969

1961年の最近のブログ記事

ハマープロの主要スタッフによる、冒険活劇。
秘密結社の首領が「ミイラの幽霊(1959)」や「怪奇ミイラ男(1964)」の墓守役でお馴染みのジョージ・パステル。
また、「蛇女の脅怖(1966)」のマーン・メートランドが顔を出す。

ホラー映画ではないが、秘密結社の拷問や脅迫、処刑など、猟奇的な見せ場が多く、作品全体に絶えず緊張感が流れる。映画導入より、秘密結社の暴挙はエスカレートを続け、英国軍は数々のピンチに陥り、物語が盛り下がること無く、退屈しない。このあたりは演出のテレンスフィッシャーの手腕と言える。

ハリー・ルイスを捕えた秘密結社は、コブラに襲わせる拷問を行うが、この窮地を救うのが本編のマスコットであるマングース。これが実に頼もしい。秘密結社はこれを「カーリの思し召し」として、ハリー・ルイスを開放するのである。

本作は1961年にプロットはそのままに、時代と舞台を変えて「THE TERROR OF TONGS」としてリメイクされる。
日本での公開は1961年10月。

※ちなみに筆者は英語が不得手なうえ、輸入版DVDでの観賞。それでも十分面白かった。

恐怖の振り子

pitandpendulm02.jpgアッシャー家の惨劇(1960)」に続く、AIPのポー・シリーズ第2段。小説「落とし穴と振り子」「早すぎた埋葬」を基にリチャード・マシスンが脚色。
蓋を開けてみれば、「呪いを利用した財産横領の犯罪劇」であり、霊的な要素は全くないのでホラーというよりはサスペンス・スリラー映画だ。
しかし、冒頭の寂しい海岸、城から始まり、主人公が拷問室を去る最後まで「悪魔的」な雰囲気が絶えず、流れるように続くので恐怖色はとても強い。

見目麗しきエリザベスに扮するバーバラ・スティールの悪女っぷりが見どころである。
ポーの作品の特徴でもある「生き埋葬の恐怖」は、このシリーズでも何度となく使われるが、この「恐怖の振り子」のそれは、インパクトが大きく、ショッキング。
「この部屋は二度と開けない」と扉を閉めた後、鉄の箱に取り残されたバーバラ・スティールの恐怖に怯えた眼が、何とも怖い。

異端裁判に熱心だったニコラスの父親の思い出は、後年、ティム・バートン監督作品「スリーピーホロウ」でほぼそのまま引用されている。

ちなみに本作の象徴ともなっている「振り子」であるが、私のこの器具の原体験は子供の頃に観たテレビドラマ「江戸川乱歩シリーズ 死刑台の美女」だった。あまりに強烈なマシンだったので、しばらく夢に出てうなされた。よって、私はこの「振り子」が大嫌いである。