極地からの怪物 大カマキリの脅威(1957)

"THE DEADLY MANTIS"
アメリカ / ユニバーサル

[Staff]
制作:ウィリアム・アランド
監督:ネイサン・ジュラン
脚本:マーティン・バークレー
原作:ウィリアム・アランド
特撮:フレッド・ノース
配給:ユニバーサル

[Cast]
ジョー・パークマン・・・クレイグ・スティーブンス
ネドリック・ジャクソン博士・・・ウィリアム・ホッパー
マギー・ブレイン・・・アリクス・タルトン

[Story]
 アメリカでは対ソ連の防衛のため、大陸の北半球側に巨大なレーダー基地の開発を急ぎ、最も北側に近いデューライン・レーダー基地が完成することによって国防は完璧になるはずであったが、某日未明、前哨基地である4番監視所のレーダーに未確認飛行物体の微弱な反応が見られた。その直後、基地は何物かに破壊された。デューラインの着工統括に当たっていたパークマン大佐が事故現場を捜索すると、そこには人影は無く、巨大な足跡が残されていた。大佐が困惑する中、またもレーダーが微弱電波の反応を示した。捜索に向かった戦闘機部隊だったが、そのうちの一機が上空で消息を絶った。後日、墜落した戦闘機が発見され、事故現場にはやはり巨大な足跡と、何かの生物の一部と思われる巨大な破片が見つかった。生物学者ジャクソン博士の調査の結果、その破片はカマキリの毛と酷似していることが判明した。そしてジャクソン博士の推測は現実のものとなり、巨大なカマキリが出現した。たび重なる天変地異によって北極の氷が溶け、そこで眠りについていた太古の巨大カマキリが復活したのであった。巨大カマキリは轟音と共に海を渡り、アメリカ本土を急襲する。

[Text]

 50年代に隆盛を誇ったSF怪獣映画の名品。残念ながら日本未公開である。制作は『宇宙水爆戦』(1955)、『大アマゾンの半魚人』(1956)、『モグラ人間の叛乱』(1956)、『ニューヨークの怪人』(1958)のプロデューサー、ウィリアム・アランド。監督は『シンドバッド 7回目の航海』(1958)、『地球へ2千万マイル』(1957)、『H・G・ウェルズの月世界探検』(1964)といったレイ・ハリーハウゼン特撮作品で知られる、ネイサン・ジュラン。アランドとジュランは『Black Catsle』(1952)以来の顔合わせである。

 ジャクソン博士に扮したウィリアム・ホッパーは『地球へ2千万マイル』の主演俳優。劇中でジャクソン博士は「一本の骨からその生物を解析する名人」とされる。襲撃現場に残された一つの破片から、それが巨大カマキリのものであることを解析するまでの演出がきめ細かく、怪獣が登場するまでの展開はシャーロック・ホームズなどに見られるの推理サスペンスの手法をとっている。
 怪獣が登場してからは低予算映画ながらも迫力ある特撮で最後まで飽きさせない。怪獣の造型も素晴らしい。トンネル内でのクライマックス・シーンでは1/1スケールの怪獣の頭を含めたセットが組まれた。特撮担当のフレッド・ノースはユニバーサルで『凸凹フランケンシュタインの巻』(1948)や『縮みゆく人間』(1956)の特撮マンである。

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