1960⇒1969

2013年1月アーカイブ

 「スペース・ウエスタン」と銘打った、ハマー・フィルム製作のSF映画である。日本の映画雑誌には、「宇宙船02」のタイトルで新作紹介されたが、劇場公開には至っていないようだ。

 主人公はアメリカ軍人のケンプとロシア人のコミンスキーのコンビである。冷戦真っ只中に作られた作品だ。オープニングクレジットのアニメーションで、この二人がコンビになるいきさつが描かれる。宇宙開発競争の中、アメリカとソ連の宇宙船が月面に到着、各々国旗を立てるが、双方で小競り合いが始まり、そうこうしているうちに世界各国の宇宙船がやってきて、あっという間に月は人類の新天地となる。時期に一攫千金を目論む輩も出てきて、暴力と略奪が起き、成功者も出てきて、二人は過去の存在、すなわち用済みとなって、イギリスの清掃車に回収され、ゴミ箱行き。こりゃたまらん、ということで、二人は「宇宙船02号」で月を逃げ出すのであった。

言ってみれば「スターウォーズ」のハン・ソロとチューバッカを主人公にしたような物語。

69年に「恐竜時代」と共にリリースされた。本作の特撮は「恐竜時代」と同じくレス・ボウイ。月面のミニチュアワークは東宝特撮を彷彿とさせるもので、「宇宙大戦争」に出てくるような月面探検車や、採掘用バリカンが装備されたブルドーザーなど、地味な新兵器がそこそこ登場してほほえましい。