1970⇒1979

悪魔のはらわた(1973)

"FLESH FOR FRANKENSTEIN"
フランス/イタリア / カンパーニャ・シネマトグラフィカ・チャンピオン、他

[Staff]
制作:アンドリュー・ブローンズバーグ、アンディ・ウォーホル、ルイス・ペライノ、カルロ・ポンティ、ジーン・ヤンネ
監督:ポール・モリセイ
脚本:ポール・モリセイ
撮影:ルイジ・クヴェイレル
音楽:カルロ・ジッツィ
配給:ブライアンストン配給社、日本ヘラルド

[Cast]
ニコラス・・・ジョー・ダレッサンドロ
フランケンシュタイン・・・ウド・キア
カトリン・・・モニーク・ヴァン・ブーレン
オットー・・・アルノ・ジュエキング
サシャ/人造人間・・・サージャン・セルビノク
女人造人間・・・ダリラ・デ・ラッツァーロ
モニカ(男爵の娘)・・・ニコレッタ・エルミ
エリック(男爵の息子)・・・マルコ・リオフレディ
オルガ・・・リウ・ボシシオ

[Story]
フランケンシュタイン男爵は、人間の死体の最高の部位を繋ぎ合わせることで、人工的に優秀な人間のつがいを作り、その交配によってさらに優秀な「世界最高の人種」を作りだすことを夢見ていた。人類に代わって新人類を蔓延させ、それによって世界征服を目論んでいたのだ。
男爵は男の人造人間が、残すところ「性豪の男」の頭部を移植するだけとなった時に近隣を物色、とある売春宿で3人の女性を相手にしている男、サシャを目撃する。逃げ惑う女たちを見て「これは性豪に違いない」と勘違いした男爵は、巨大なギロチンバサミでサシャに襲いかかり、その頭部を切り落とすのであった。しかし、逃げ惑う女たちは行為の最中に出てきたトカゲに驚いただけで、その男は僧侶志望で女性には全く興味が無かったのである。
かくして人造人間のつがいは誕生した。
その頭部の主であったサシャは、男爵家の使用人ニコラスの友人であり、ニコラスはその斬首事件の当事者であったが、ニコラスが男爵とカトリンの食事の給仕として介添えをしていると、そこに列席していた男の人造人間の顔を見て愕然とする。ニコラスはフランケンシュタイン家の秘密を探るべく、研究室に潜入するのである。
 男爵はつがいの人造人間の交配を試みるが、男の方が女に全く興味を示さない。実験は失敗に終わった。
 研究室に潜入したニコラスはサシャに女人造人間とともに逃げることを勧めるが、サシャは「自分は死んだ方がいい」と拒否。その場にやってきた男爵の命により、ニコラスに襲いかかる。男爵は人造人間の頭部をニコラスに挿げ替える計画を立てるのである。

[Text]

flesh_for_frankenstein_02.jpg本作品はもともと3D映画として公開された。そのため、随所に立体的な演出が施されている。

フランケンシュタイン男爵は内臓嗜好、屍姦嗜好、実姉を妻とし、子供も二人いる、という異常性愛者という設定。助手のオットーは、粗雑な役立たずの変態。姉のカトリンはセックスマニア。子供は残酷で鉄面皮。主人公のニコラスは性欲おびただしく、カトリンと関係を持っている、と、まともな人間が(主要人物では)全く出てこない作品である。

サシャは「ホモ」という定説であるが、本編ではその設定は登場せず、「僧侶志望で女性に興味が無い男」という設定である。

翌年製作された「処女の生血(1974)」と出演者、セットを共有しているという。