1960⇒1969

赤字怪談・いるいる(1968)


日本 / ひま人くらぶ

[Staff]
制作:内田健太郎
監督:内田健太郎/黒田三平
脚本:望田一郎/内田健太郎
撮影:佐々木利吉
特撮:牧野圭一(動画)
音楽:八木正生

[Cast]
川田ニーナ
関原とし子
源九郎判官義経
武蔵坊弁慶

[Story]
平安時代。
吸血鬼と化した源九郎判官義経は夜な夜な羅生門に現れ、従者の武蔵坊弁慶がさらってきた女の生き血をすすっていた。

そしてまた女が一人羅生門に現れた。
この女は義経にとどめを刺すためにやってきた吸血鬼ハンターであった。しかし女は棺に眠る義経にとどめを刺そうという時に弁慶に捕まり、牢に入れられた。
女の血を吸おうと現れた義経、牙を剥いたところ、女の身体にくまなく書かれた経文を見ておののき、義経は女にとどめを刺されて滅んでしまう。

[Text]

CMスタッフの集団「ひま人くらぶ」による短編映画である。
本作が発表された前年の67年には、同じくCM出身の大林宣彦監督による「いつか見たドラキュラ」が発表されている。

経の吸血シーンは同年公開の「帰って来たドラキュラ」にとてもよく似ており、またそれが意外に良い効果を生んでいるように思う。明らかにハマーホラーの影響を受けていると思われる。ハマーホラーの影響を受けた作品は数多いが、その中でも本作はそこそこのレベルを保っているのではないか?

朽ち果てた羅生門や鎧姿の義経のイメージが、吸血鬼という異文化の化け物に割とよく似合っており、これはこれで違和感が無く楽しむことができた。

45分のカラー・サイレント映画である。