1960⇒1969

怪奇ミイラ男(1964)

"CURSE OF THE MUMMY'S TOMB"
イギリス / ハマー・フィルム・プロダクション

[Staff]
制作:マイケル・カレラス
監督:マイケル・カレラス
脚本:ヘンリー・ヤンガー(=マイケル・カレラス)
撮影:オットー・ヘラー
メイク:ロイ・アシュトン
特撮:ジョージ・ブラックウェル
音楽:カルロ・マルテリ
配給:コロンビア

[Cast]
アダム・ビーチャム:テレンス・モーガン
ジョン・ブレイ:ロナルド・ハワード
アレクサンダー・キング:フレッド・クラーク
アネッテ・ドゥボイド:ジェーン・ローランド
ハシム:ジョージ・パステル
ジャイルズ卿:ジャック・ギリム
マッケンジー警視:ジョン・ポール
アーメッド:マイケル・リッパー
ミイラ:ディッキー・オーウェン

[Story]
舞台は1900年エジプトに始まる。デュボア教授が率いる探検隊によってラムゼス8世の王子ラー・アンテフのミイラが発見され、ロンドンで興業にかけられる運びになるがミイラが復活し、墓の発掘関係者を襲う。 3000年前にラーは狡猾な弟ビーの画策によって暗殺されたが、父王ラムゼスがこの事を知るに至り、今際の際にビーに対して「兄の手によって死を迎える」という不死の呪いをかけた。そのため、ラーの墓は長きに渡ってビーの差し向けた刺客とその子孫によって守られてきたが、ここにきてミイラを復活させたのは、呪いをかけられたビーその人であった。現世に嫌気を感じていたビーは「アダム・ビーチャム」と名を騙って探検隊に近づき、自らを殺させるためにラーのミイラを復活させたのである。

[Text]

この時期のハマー・フィルムの作品のほとんどは、お馴染みの顔ぶれでホーム・グラウンドのブレイ・スタジオで作られていたが、本作はスタッフ、出演者共々ハマー作品未経験者が多く、撮影もエルストリート・スタジオで行われた。そのためか、ハマー・ホラーとしては少々異質な雰囲気を持つ作品である。主演はテレビ・シリーズ『シャーロック・ホームズ』(1954)でホームズを演じたロナルド・ハワード。ヒロインに扮するのはこの作品がデビュー作となるジャンヌ・ローランド、不死の呪いを受けたアダム=ビーを演じたのは『ハムレット』(1948)でレアティーズを演じたテレンス・モーガン。

ミイラ男のスーツアクターはディッキー・オーウェン。彼は次回作『ミイラ怪人の呪い』(1967)で冒頭の回想シーンでのプレム(ミイラ男の正体)を演じた役者である。

音楽はカルロ・マルテッリ。本作のテーマ曲は、そのまま『魔像ゴーレム 呪いの影』(1966)のテーマ曲として流用されている。

 監督のマイケル・カレラスは「ヘンリー・ヤンガー」名義で脚本も担当している。