1960⇒1969

魔像ゴーレム 呪いの影(1967)

"It!"
イギリス

[Staff]
制作:ハーバート・J・レダー
監督:ハーバート・J・レダー
脚本:ハーバート・J・レダー
原作:ハーバート・J・レダー
撮影:デイヴィス・ボウルトン
メイク:エリック・カーター
音楽:カルロ・マルテッリ
配給:ワーナー・ブラザーズ/セブン・アーツ

[Cast]
アーサ―・ピム・・・ロディ・マクドウォール
エレン・グローヴ・・・ジル・ハワース
ジム・パーキンス・・・ポール・マックスウェル
ウィール教授・・・オーブレイ・リチャーズ
ハロルド・グローヴ・・・エルネスト・クラーク
トリミンガム・・・オリヴァー・ジョンストン
ホワイト警部・・・ノエル・トレヴァーセン
ウェイン警部補・・・イアン・マカロック
老ラビ・・・リチャード・ゴールデン
スワンソン夫人・・・ドロシー・フレーレ

[Story]
 博物館の展示物が倉庫の火災により焼失した中で、唯一焼け残ったゴーレム像。視察に入った館長グローヴは像の前で謎の死を遂げる。グローヴの助手だった学芸員のアーサ―・ピムは像に彫刻された碑文から像に息吹を与え、それを利用して自らの野望を果たすためにゴーレムを意のままに操って悪行を重ねていく。ピムは表向きは真面目な男だが、実生活で母親のミイラと暮らす狂人だった。ゴーレムを操る事でピムは次第に本性が露呈し、事態は陸軍が出動するまでの事態に発展。あらゆる兵器をものともしないゴーレムに、ついに国軍はゴーレムに向けて戦術核を使う決定を下す。

[Text]

 ハマー・ホラー隆盛の渦中にあった1960年代のイギリスで作られた作品で、制作、監督、脚本のハーバート・J・レダーはハマー・ホラーにインスパイアした格好で映画を制作。ことに、カメラワークと音楽効果にハマーを意識するようにと直接指示を与えている。数々の古典怪物を復活させていたハマー・プロであったが、ゴーレム物には着手していなかったので、「もしも、ハマーがゴーレムを作ったら?」という遊び心が垣間見られ、その意味で良好な結果を遺したと言える。音楽を担当したのはハマーの『怪奇ミイラ男』(1964)、『魔獣大陸』(1967)のカルロ・マルテッリ。本作の主題曲は『怪奇ミイラ男』の流用。

 セブンアーツ・プロがワーナー・ブラザーズを買収してからの初の映画作品。『怪奇!呪いの生体実験』(1967)と二本立てで公開された。

 『サンゲリア』(1980)の主人公・ピーターを演じたイアン・マカロック(ウェイン警部補役)のデビュー作である。